ここ数日間、風邪をひいて寝込んでいた。どうやら子供がどこかでもらってきた風邪をうつされたらしい。発熱もあったので、新型コロナウイルスの可能性も否定はできないが、37.5度以下の微熱だし、PCR検査でも受けて本当に新型コロナウイルスだった場合、何かと面倒になってしまうので、「コロナではない」と自己診断して家で大人しくしていた。
微熱以外の症状としては、身体の節々がやや痛むことと、頭痛がして、頭がぼーっとするなどである。常日頃から、自分は頭がぼんやりしている方だと思っているが、実際に風邪をひいて本当に頭がぼーっとしてみると、普段のぼんやり具合など些細なものなのだということに気付かされる。
身体の具合が悪い時には、睡眠と栄養をしっかり取るのが定石ではあるが、熱が出ているとなかなか深い眠りにつくこともできないし、胃腸も弱っているのか、なかなか食欲も湧いてこない。
そんな時、冷蔵庫に入っていた甘酒には大いに助けられた。他のものは身体が受け付けなくても、甘酒はすっと入ってきて、すみずみの細胞にまで染み渡り、エネルギーに変わっていくのが実感できる。まさに飲む点滴という異名に違わぬ活躍ぶりである。
調べてみると、甘酒には身体に吸収されやすいブドウ糖が多く含まれているらしい。なぜブドウ糖だと吸収されやすいのかは知らないが、身体に染み渡っていくような感覚は単なる思い込みではないようだ。
そのうえ、甘酒には疲労回復や免疫力アップなどに効果のあるビタミンB群も豊富なのだそうだ。風邪を引いている時に飲むものとして、これ以上相応しいものはないのではないか。現に江戸時代には甘酒を栄養ドリンクのように飲んでいたという。
しかし、現代では「風邪を引いたら甘酒」という認識は人々の間にさほど浸透していない。レッドブルだのモンスターエナジーなどといった清涼飲料水がエナジードリンクなどと呼ばれて持て囃されているが、そんなカフェインが大量に入った砂糖水よりも、甘酒を大いに飲むべきではないだろうか。
ちなみに、一口に甘酒と言っても、大きく分けて麹で作ったものと、酒粕で作ったものがあるが、この記事で言及しているのは麹で作られた甘酒である。また、僕が好んで飲んでいるのは銘酒「八海山」でおなじみの八海醸造が製造している「麹だけで作ったあまさけ」である。少し値は張るが、保存料や甘味料などは一切使われておらず、文字通り麹だけで作られているピュアな甘酒である。