かれこれ一年ほど、左足裏の鈍い痛みに悩まされている。人間40年も生きていれば、身体のどこかにガタが来るのは仕方のないことかもしれない。しかし、足の痛みというのは特に厄介なもので、歩く時に左足を進めるたびに痛みに襲われてるため、かなりのストレスであった。
詳しくは後述するが、最も症状が悪化した時には、通常の歩行も困難になってしまい、左足を引きずりながら歩いていたこともある。幸運なことに、知り合いやネットから自分に合った対処法を見つけることが出来たため、今では痛みを感じることはほとんどなくなった。
この記事では、どのような経緯をへて僕の足裏が痛むようになったのか、そして、その痛みをどのように克服したのかについて綴っていきたいと思う。僕と同じように、足裏の痛みに悩まされている方の参考になれば幸いである。
走りすぎたのがまずかった
そもそも、なぜ足の裏を痛めてしまったのか。ワケを話せば少し長くなるが、最近流行りの新型コロナウイルス感染症が少し関係している。
事の発端は2020年3月から4月頃のことである。当時はまだ日本国民が緊急事態宣言を真面目に受け止めており、外出は最低限に留めようという雰囲気が強くあった。僕自身も毎日会社には通勤していたが、その以外には、それまでしていたように、フラフラと出歩くことも控えるようになった。自然、運動量も落ちた結果、それに反比例して体重が激増するという不幸に見舞われてしまったのである。
家の中で大して動かずにいてブクブク太ってしまっては逆に身体に悪いんじゃないかと思い、どうにかして運動をしなければと思い始めた頃に、入会していたジムまで休業を決定するという追い打ちである。これではトレッドミルで走ることも、プールで泳ぐこともできない。
こうなったら、もうひたすら家の周りを走り回るという極めて原始的な運動方法に回帰するしかない。なるべく人出の少ない早朝や夜中の時間帯を狙って外に出て、近所を走り回ってから帰宅するという、犬のような生活を2ヶ月ほど続けていた。
当時走行距離を記録していたスマホのアプリによると、2020年の4月中旬から5月上旬にかけての約3週間で実に30kmもの距離を走破している。ランニング上級者からすれば、30kmなんて1、2回のジョギングで走り切れる距離かもしれない。しかし、直近4、5年間、ほとんど外を走ったことがない40歳のおっさんにとっては、3週間で30kmという数字は、幼稚園児がフルマラソンを完走するのと同じくらいの快挙と言って良い。
そして発症へ
運動不足のおっさんが急に走り始めたら、身体がびっくりするのは当然のことである。ジョギングを開始して1ヶ月ほど経ったある日、なんだか左足の土踏まずの辺りに違和感を覚えた。足の裏の土踏まずの辺りというのは本来ゴムのように伸縮性に富むものだと思うが、ゴムではなくビーフジャーキーのように硬い。歩こうとしたり、走ろうとしたりすると、足の裏が突っ張ったような感じがするのである。
それでも僕はこれをさほど重大視せず、まあ一過性のものだろうとジョギングを続けていた。そうすると、それまでは単に突っ張るだけだったものが、次第に弱い痛みを帯びてくる。例えるならば、ちょうど足を攣った時と筋肉痛の中間のような痛みである。
しかし、それでも僕はジョギングを辞めることはしなかった。他に運動をする術を持たなかったので、辞めるに辞められなかったのだろう。こうして足の裏に負担をかけ続けた結果、痛みは確実に増していき、ついにはジョギングを断念しなければならないほどに悪化してしまったのである。冬の寒い日などは、痛みが足の裏に留まらず、足首やくるぶしのあたりまで上がってきて、足を引きずりながら歩くしかなかったほどだった。
足底筋膜炎の対処法
事ここに至って、ようやく「このままではまずいかもしれない」と思うようになり、知り合いの整体師に相談してみた。話を聞き終わると、彼はおもむろに僕の左足を手に取り、足の裏の色々な箇所を押し始めた。すると、やはり土踏まずの辺りに一箇所だけ、針で刺されたような痛みを感じる箇所があった。そのことを伝えると、彼は「なるほどな」と独り合点した後で、この症状は足底筋膜炎というものであることを教えてくれた。足底筋膜炎の治療方法としては、風呂などで患部を指で押したり、足の裏を伸ばしたりすれば良いとのことだった。
整体師から言われた通りに足の裏の痛い箇所を指圧してみたが、どうも自分の指ではピンポイントで患部に刺激を加えることができないのか、十分に患部を刺激できていないような気がする。何日か指圧を続けてみたものの、一向に症状が改善する兆しがない。
こうなったら何か道具に頼るのが良いのではないかと思い、ネットで情報収集をしてみると、「青竹踏みが良い」とか「木の棒を使ってグリグリ押すと良い」などなど色々な意見があった。藁にもすがる思いで、Amazonで片っ端からグッズを購入して、一個一個試していった結果、僕にとって最も効果があったのはこちらの商品である。
上の画像の要領で、この赤い玉をとにかく全体重をかけて踏みつける、というのが大変効果的であった。ボールがちょうど土踏まずのツボを刺激し、硬くなっていた土踏まずが少しずつほぐれていった。半年ほどこれを続けていると、痛みも徐々に収まり、今では痛みを感じることもあまりない。
聞けば、足底筋膜炎というのは、ちょうど僕のように急にジョギングを始めた中年男性がかかりやすいスポーツ障害であるようだ。急に走り出して足の裏を痛めてしまった場合は、慌てずにマッサージスティックをぐりぐりと踏みつけることをおすすめする。