最近、北朝鮮がミサイルを撃つ頻度が確実に増している気がする。防衛省がホームページ上で、これまでの北朝鮮によるミサイル発射事案を取りまとめているが、それによると、2022年だけで実に59発もの弾道ミサイルが発射されているらしい。
2022年はヤクルトの村上宗隆が56発のホームランを打った年だったが、北朝鮮は村上がホームランを打つよりもやや多くミサイルをぶっ放していることになる。そんでもって情けないことに、週一で新しい記事を上がれば御の字というこのブログの更新ペースを遥かに上回っている。
ところで北朝鮮が打ち上げたミサイルはその後どうなっているかというと、日本海あるいは日本列島を超えて太平洋や東シナ海に落下したと報じられている。
陸地に落ちれば日本国民の生命や財産に被害が出て、政府としても報復措置を取らざるを得なくなる。そのあたりはいくら「ならず者国家」の北朝鮮とはいえ十分理解しているだろうから、今後もミサイルが日本の国土に落ちてくることはないだろうと思う(その一方で、三国志か何かにあった計略のように、海に向かって100回ミサイルを撃ち、「まーた北朝鮮がミサイル無駄撃ちしてるよ」などと我々を油断させ、101回目に東京のど真ん中にミサイルを撃ってくるという作戦ではないかという気も万に一つくらいはしている)。
ただし、ミサイルが落ちる場所が海で良かったのかというと決してそういうことでもない。海にも船は浮かんでいるだろうから、下手をすれば船の上にミサイルが落ちてくるという可能性もゼロではないし、直撃はしないにしろ、近接距離にミサイルが落ちた衝撃により生じた波で船が転覆するような事態だってあり得るかもしれない(実際そのような事態が生じうるのかは素人なので皆目見当がつかない)。
危険に晒されるのは船だけではない。ミサイルが落ちれば魚も何匹かは死ぬだろう。ミサイルが当たった時の衝撃や熱で死ぬ魚もさることながら、もし、ミサイルの残骸に何らかの有毒物質が含まれている場合、有害な物質が海に広がっていくのはあっという間だろう。そうした物質を魚が口にし、体内に有毒物質が蓄積された魚を人間が食べてしまい、健康被害が生じるというリスクはないのだろうか。
2022年2月24日に、岸田総理が日本海に落下したミサイルの残骸を引き上げて回収することを検討していると国会で答弁したようだが、その目的は飽くまでミサイル開発の技術的な情報を得るためということである。ミサイルの残骸だけでなく、周辺の海域も調査し、度重なるミサイルの発射によって生じる海洋汚染や生態系への影響についても合わせて調査すべきではないだろうか。